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大手町アカデミア × 人間文化研究機構 オンライン無料特別講座:持続可能な「自然・社会・人間」の関係性を考察する(1)「近世江戸は災害都市だった!-連続複合災害について考える-」

 人間文化研究機構(以下「人文機構」)は、「大手町アカデミア」(主催:大学共同利用機関法人人間文化研究機構 一般社団法人読売調査研究機構 後援:読売新聞社)と連携・協力の下、人文機構が平成28年度から推進している基幹研究プロジェクトの成果発表の一環として、広く一般を対象に、オンライン無料特別講座を実施します。
 講座の概要・申込方法等は以下をご参照の上、ぜひお申し込みください。

日時:2020年12月16日(水)19時~20時45分
開催方法:オンライン配信(Microsoft Teams ライブイベントを利用します)
受講料:無料
定員:100名(定員に達し次第締め切ります)

申込方法等:受け付けは終了しました

この動画は、2020年12月16日に開催されたオンライン無料特別講座の収録動画です。


大手町アカデミア × 人間文化研究機構 オンライン無料特別講座
連続講座:持続可能な「自然・社会・人間」の関係性を考察する(1)
「近世江戸は災害都市だった!-連続複合災害について考える-」

講師:渡辺 浩一(国文学研究資料館/総合研究大学院大学文化科学研究科・教授)
聞き手:多葉田 聡(読売新聞東京本社 調査研究本部 主任研究員)

大手町アカデミアでは、2020年度講座を「連続講座:持続可能な『自然・社会・人間』の関係性を考察する」と題し、自然とともにある人々のくらし、それを取り巻く社会の持続的な仕組みはどうあるべきか、を考えていきます。

 その第1回は、国文学研究資料館教授の渡辺浩一氏による「近世江戸は災害都市だった!連続複合災害について考える」です。渡辺教授は、「江戸水没-寛政改革の水害対策」(平凡社)を執筆するなど災害歴史学を専門分野の1つとしています。
この講座では「災害都市」江戸で行われた防災対策や防災マニュアルの整備などの危機対応、記録の管理など蓄積されてきた先人の知恵を歴史的事実からひも解くと共に、今に生かしていくためにはどのようにすればよいのかについて参加者と共に考えていきます。


(講師による講演内容の紹介)

 江戸は災害都市でした。
 大火が多かったのはご存知の通りです。また、風水害にも頻繁に遭っていました。
 それは江戸という場所に特徴的な自然環境が原因です。一つには、利根川水系と荒川水系の二つの水系の河口域に江戸があるという自然環境です。これが洪水の条件になります。

 もう一つには南に向いた内湾(東京湾)の奥に江戸があるという点があります。これが高潮の条件になります。こうした自然環境を改造して江戸という都市が作られたのです。

 さらに、人々は密集して住んでいましたので、大地震が起きたり、感染症が流行したりすると大きな被害に遭いました。

 こうした多様な災害のなかで、特に災害が集中して起きている時期があります。それが1780年代(天明期)と1850年代後半(安政期)です。1780年代は浅間山噴火、天明飢饉、水害、大火の時代です、1850年代は、安政大地震、東日本台風、コレラ、大火の時代です。

 この二つの「連続複合災害」に対して幕府がどのような対応をしたのかを比較してみたいと思います。