大手町アカデミア × 人間文化研究機構 オンライン無料特別講座 持続可能な「自然・社会・人間」の関係性を考察する(2)「自然の「恵み」と「災い」の関係を考える~気候変動時代の防災減災」
人間文化研究機構(以下「人文機構」)は、「大手町アカデミア」(主催:大学共同利用機関法人人間文化研究機構 一般社団法人読売調査研究機構 後援:読売新聞社)と連携・協力の下、人文機構が平成28年度から推進している基幹研究プロジェクトの成果発表の一環として、広く一般を対象に、オンライン無料特別講座を実施します。
講座の概要・申込方法等は以下をご参照の上、ぜひお申し込みください。

申込方法等:受け付けは終了しました
この動画は、2024年3月10日に開催されたオンライン無料特別講座の収録動画です。
大手町アカデミア × 人間文化研究機構 オンライン無料特別講座
連続講座:持続可能な「自然・社会・人間」の関係性を考察する(2)
「自然の「恵み」と「災い」の関係を考える~気候変動時代の防災減災」
講師:吉田 丈人(総合地球環境学研究所・東京大学大学院総合文化研究科 准教授)
聞き手:多葉田 聡(読売新聞東京本社 調査研究本部 主任研究員)
大手町アカデミアでは、2020年度講座を「連続講座:持続可能な『自然・社会・人間』の関係性を考察する」と題し、自然とともにある人々のくらし、それを取り巻く社会の持続的な仕組みはどうあるべきか、を考えていきます。
昨年12月には、連続講座「持続可能な『自然・社会・人間』の関係性を考察する」の第1回として、近世江戸における幕府の災害対策について、国文学研究資料館教授の渡辺浩一氏にお話しいただきました。(アーカイブ動画を人間文化研究機構公式YouTubeチャンネルで公開中です。こちらからご覧いただけます。)
第2回となる今回は、生態学や陸水学がご専門で、生物の多様性や複雑性を解き明かす研究と、生態系を利用した防災減災(Eco-DRR)など人と自然のかかわりに関する研究に取り組んでいる、総合地球環境学研究所准教授の吉田丈人氏に「自然の『恵み』と『災い』の関係を考える〜気候変動時代の防災減災」についてお話しいただきます。
河川の氾濫による浸水や土砂災害などの自然災害が、近年頻繁に発生しています。気候変動の影響が拡大しつつあると懸念されており、自然災害へのより良い適応が社会に求められています。一方、日本の多くの地域社会では、人口減少と少子高齢化の問題が進行しています。しかし人口減少は、災害が起こりやすい場所の土地利用を、市街地などの集約的な利用から、自然や半自然の生態系としての利用に見直すことができるチャンスもつくります。
自然災害リスクは、ハザード(気象条件など)と曝露(土地利用によってハザードに曝さらされる程度)と脆弱性(影響の受けやすさ)が組み合わさって発生します。土地利用を見直すことで災害ハザードへの曝露を下げれば、自然災害のリスクを低く抑えることが可能になります。生態系と生物多様性がもたらす多様な恵みを活かしながら同時に防災減災することは、生態系を活用した防災減災(Eco-DRR)と呼ばれ、地域社会の持続可能性にとってますます重要になると考えられます。
私たちは、総合地球環境学研究所において、生態系を活用した防災減災(Eco-DRR)の手法を広く社会に実現すべく、研究と実践に取り組むプロジェクトを実施しています。この講座では、生態系を活用した防災減災(Eco-DRR)の考え方や事例を紹介し、これからの時代の防災減災のあり方について、皆さんとともに考えたいと思います。