寄附のご案内:人文機構基金

イベント・広報

第24回人文機構シンポジウム「世界の中の日本研究 ―京都から語る―」

日時:2014年6月7日(土)13:30~16:30
場所:有楽町朝日ホール(有楽町マリオン11F)
主催:大学共同利用機関法人 人間文化研究機構

受講無料
定員:600名(先着順)

第24回人文機構シンポジウムフライヤー

<講演>
社会史版「ザ・タイガース 世界はボクらを待っていた」――<戦後民主主義と高度経済成長>再考
講師:磯前 順一 (国際日本文化研究センター 准教授)

 グループ・サウンズの雄、ザ・タイガースが音楽シーンを席巻した一九六八年。敗戦から回復した日本社会は、皇太子ご成婚と東京オリンピックを契機に、高度経済成長期へと突入する。一方で、公害、過疎、ベトナム反戦など、グローバル資本主義の矛盾が次々と露呈していく。学生の反乱は、こうした社会状況に敏感に反応した行動であった。そして、グループ・サウンズからニューロックへと展開していく音楽も、若者のエネルギーと葛藤を示す時代の表現媒体となっていく。その渦中にあったタイガースの軌跡とともに、昭和四十年代という戦後日本社会の転換期を再考したい。

京都の知られざる皇女尼僧像
講師:パトリシア・フィスター (国際日本文化研究センター 教授)

 京都・宝鏡寺門跡の菩提寺である真如寺には特色ある四躰の御像が安置されている。これらの御像は宝鏡寺門跡の住持であった皇女尼僧であり、今回の講演ではこの御像について考察する。四人の皇女尼僧は十七世紀から十八世紀に住持されていた尼僧で、このうち三人は天皇の娘、内親王である。しかし、長年のうちには奉拝などが途絶することもあり、名前などが不確かとなった。何十年にもわたり、これらの素晴らしい御像は世に知られずに座されたままで、彩色の木像にはひびが入り、お顔の表面ははがれ落ちてきた。年月とともに四躰の御像それぞれのお名前の判別も難しくなったのである。今回はこれらの皇女尼僧像をご紹介するのみならず、四躰の御像をどのように判別することが出来たのか、パズルを解くように各部分をつなぎあわせ、作造当初のことや御像の位置付け、意義などにも言及する。また、継続中である御像の修復プロジェクトについても紹介する。