第26回人文機構シンポジウム「 苦悩する中東」

人間文化研究機構(NIHU)プログラム イスラーム地域研究
参加無料、事前登録不要
中東が抱える苦悩は深く、その原因は複雑です。ISIL(アイシル)あるいは ISIS(アイシス)による日本人人質殺害事件は、私たちに大きな衝撃を与えるとともに、問題の深刻さを突きつけました。テレビの画面に映し出される恐怖の映像に怯えながらも、多くの人たちが ISIL/ISIS に関するテレビ解説に釘付けになり、中東への違和感を増幅させたに違いありません。しかし、冷静に考えてみれば ISIL/ISIS の登場に最も苦悩しているのは、中東に暮らす人々ではないでしょうか。
中東は、長年にわたる欧米諸国の中東政策に翻弄され、不本意な課題を突き付けられてきました。欧米との関係をめぐって国々が対立し、民族や宗派間の均衡も崩れ、暴力への依存が高まってしまいました。さらに、中東は、急速に進行するグローバル化のなかで、格差の拡大、世代間の対立、ジェンダー関係の変化といった課題にも直面するなど、政治的にも社会的にも難題を抱えています。
私たちが、現地に暮らす人々に思いを馳せることなく現象面にのみ目を奪われ、場当たり的な対応を続ければ、中東はさらに混迷を深めることになります。そうなれば、パレスチナ問題の解決も ISIL/ISIS 問題の解決も遠退いてしまうでしょう。こうした状況を憂慮し、本講演会・シンポジウムでは、「苦悩する中東」を共通主題とし、改めて中東の国々が、そしてそこで暮らす人々が抱える問題や葛藤について考えます。
酒井 啓子(千葉大学法政経学部教授)
桜井 啓子(早稲田大学国際学術院教授)
澤江 史子(上智大学総合グローバル学部教授)
福田 安志(早稲田大学イスラーム地域研究機構研究院教授)
末近 浩太(立命館大学国際関係学部教授)
錦田 愛子(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所准教授)
ホサム・ダルウィッシュ(日本貿易振興機構アジア経済研究所研究員)
酒井 啓子
桜井 啓子
澤江 史子
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〒162-0041 東京都新宿区早稲田鶴巻町513 早稲田大学120-4号館3階
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