【作品解説】
作者不明。室町末期~江戸初期頃成立と見られるお伽草子(室町物語)。「大悦〈だいゑつ〉物語」とも言う。 親孝行者である大悦の助は、観音菩薩の夢告を得、わらしべによって福徳人となる。そこに、大黒天と恵比寿天が現れ、邪を祓い、俳諧や相撲を行い、また、やってきた盗賊や修羅の眷属を退散させる。その噂は朝廷に及び、大悦の助は、姫君を得て栄花を極める。立身出世と福神信仰を題材とした祝言物である。画像掲出箇所は、大黒天と恵比寿天が庭上で相撲をするくだり。軍配を持っているのが大悦の助。周囲には、大黒・恵比寿の眷属たちが列する。