共創促進事業「知の循環促進事業」
機構の各機関と大学等研究機関が連携しつつ、博物館及び展示を活用して人間文化に関する最先端研究を可視化し、学界並びに社会との共創により研究を高度化する研究推進モデルを構築します。また、人文機構シンポジウム等の広報事業等と合わせて、社会共創を推進します。
▷開かれた人間文化研究を目指した社会共創コミュニケーションの構築
各機関が所有する資料・データ等を、デジタル技術を用いて整備し、博物館や様々な展示を活用して可視化するとともに、研究のプロセスや成果を多様な方法や多様な場で共有・公開することにより、本機構と大学等研究機関と社会との間に「知の循環」を生み出し、国内外の様々な人々との共創による開かれた人間文化研究推進モデルの構築を目指します。また、視覚的あるいは聴覚的困難等のコミュニケーション課題を解決するための共同研究を実施し、その成果に基づき、多様性を踏まえた展示手法を開発します。
「開かれた人間文化研究を目指した社会共創コミュニケーションの構築」基本計画
<2023年度の主な実績>
- 企画展示「陰陽師とは何者か ―うらない、まじない、こよみをつくる―」開催【歴博】
- 文部科学省情報ひろばにて「震災・原発事故被災地における地域資料の保全と協働」を展示【国文研】
- 茅野市八ヶ岳総合博物館・長野市立博物館において展示「観測者たちを夢中にさせる星々の魅力」を開催【国語研】
- JR 西日本や京都駅ビルと共催で「(まなぶんか in 京都駅ビル)日本近代美術への誘い―日文研所蔵美術展覧会絵葉書の世界」展を開催【日文研】
- 共同主催型企画展示 環境×人権×アート共創イベント「人間と文化から地球環境問題を考える」展【地球研】
- 民博本館展示場の自動運転モビリティ体験走行【民博】
国立民族学博物館展示場の自動運転モビリティ体験走行
(2023年11月13日~2024年3月31日のうち12日間) 視覚障害者、高齢者、歩き疲れた方など、どなたでも快適に展示を鑑賞できるシステムの実用化に向けて、一般公募の中から選ばれた方々が、民博展示場で自動運転モビリティによる試験走行を行っている様子。民博では、ユニバーサル型メディア展示を推進し、誰一人取り残されない持続型共生社会の実現に向けて、本事業の重点事業のひとつでもある体験型観覧ガイドシステムの開発等に新たに取り組んでいます。
▷人文知コミュニケーター
人文知コミュニケーターとは、展示など多様な発信媒体、機会を活用して人間文化研究の成果をわかりやすく社会に伝えるとともに、研究に対する社会からの要望、反響を吸い上げ、研究現場に還元するスキルを有した研究者のことです。人文機構では、社会と研究を「つなぐ人」として、「人文知コミュニケーター」の組織的育成を行っており、2017年度からこれまでに9名の人材を輩出し、その多くが大学の教職員等として活躍しています。
<2023年度の主な実績>
筑波大学・国立科学博物館との連携講座
筑波大学・国立科学博物館と共同で開発した授業科目「人文知コミュニケーション:人文社会科学と自然科学の壁を超える」を実施しており、人文知コミュニケーターは、授業の企画段階から積極的に関わるとともに、講師として大学の教育力強化に貢献しています。
こども霞が関見学デー
霞が関に所在する各府省庁等が連携し、夏休み期間中のこども向けに所管の業務説明や関連業務の展示等を行う「こども霞が関見学デー」において、参加機関に所属する人文知コミュニケーターが、自らが所属する機関の研究について、わかりやすく紹介を行いました。
くらしに人文知
新型コロナウイルス感染症が拡大するなか、人文知コミュニケーターは、研究者でありながら生活者でもあるという立場から、何ができるかを模索してきました。「くらしに人文知」は、そうした思いから生まれたサイトです。身近な話題からちょっと難しい話まで、人文知コミュニケーターならではの視点で記事を発信しています。
▷人文機構シンポジウム
人文機構が中心となり、大学や多様な研究組織とも連携しながら、人間文化に関する最新の研究成果をテーマとしたシンポジウムを開催しています。シンポジウムは、人文機構が持つ資料や研究成果を広く社会に公開· 還元するとともに、人間文化に関心をもつ研究者との交流と相互理解を促進する場となっています。
<2023年度実績>
第41回人文機構シンポジウム「戦争をめぐる生と死」
(2024年1月28日・ハイブリッド開催)
▷社会連携事業
人文機構では、研究成果の社会還元を推進するとともに、学術文化の発展に寄与するため、産業界や外部機関と連携し、様々なイベントを行っています。
<2023年度実績>
- 大手町アカデミア(一般社団法人 読売調査研究機構)における人文機構特別講座
・ 変化にさらされる地域の歴史と文化を伝える~地域・大学・専門機関のネットワークが生み出す未来(2023年10月27日・オンライン開催)
・ 被災地・福島と歴史文化継承の取り組み~ふるさとの人とこころを繋ぐもの(2023年12月12日・オンライン開催)
- 公益財団法人 味の素食の文化センターとの共催シンポジウム
・ 未来の豊かな食を考える~里山と海をつなぐ世界農業遺産~(2024年1月18日・ハイブリッド開催)
- 一般社団法人 人文知応援フォーラムとの共催「人文知応援大会」
・ 第4回「総合知を求めて」(2024年3月10日・ハイブリッド開催)
▷広報活動
ウェブマガジンやメールマガジン、各種SNS 等で機構の取組み・研究活動を発信しています。
- Webマガジン「NIHU Magazine」
人文機構の研究成果や活動等を国内外に向けて発信するWebマガジンです。日本語・英語の2言語で、定期的に発行しています。【2023年度実績:18件】
主な記事テーマ: 日本研究国際賞授賞者の研究紹介、人文知コミュニケーターのインタビュー、人文機構主催のイベント・シンポジウムのレポート 等
- メールマガジン「人文機構ニューズレター」
展示やシンポジウム、各種イベントの情報を掲載したメールマガジンを月1回配信しています。(購読料無料)
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