人間文化研究機構 人間文化研究創発センターの小野田楓子特任助教(大阪大学配置)が、「スワヒリ語の作家研究及びスワヒリ語詩の発展史と社会的機能についての研究」により、第20回(令和5(2023)年度)日本学術振興会賞を受賞しました。
日本学術振興会賞は、創造性に富み優れた研究能力を有する若手研究者を見出し、早い段階から顕彰することで、その研究意欲を高め、研究の発展を支援することにより、我が国の学術研究の水準を世界のトップレベルにおいて発展させることを目的としています。
今回の授賞理由は以下のとおりです。
「スワヒリ語の作家研究及びスワヒリ語詩の発展史と社会的機能についての研究」
(Research on Swahili Authors and on the Developmental History and Social Functions of Swahili Poetry)
小野田風子氏は、主としてスワヒリ語の作家、及びスワヒリ語圏の文学の発展史と社会的機能に関する研究をおこなっている。特にタンザニアの作家、ケジラハビの研究は、作家自身に直接会い、交流しながら研究を深めたもので、そのバイタリティーは並外れており、新発見も豊富であり、独創性がみられ高く評価できる。また、小野田氏は、アフリカの言語や英語を使いこなし、国内外の数多くの学術雑誌に多言語で論考をまとめ、国際性にも富んでいる。本研究は、今まで世界的に注目されてこなかった文化圏に焦点を当てたもので、文学研究のみならず、文化人類学や、書籍の流通が容易でない地域の出版文化研究にも寄与し、学際的で大変貴重である。さらに小野田氏は、近年、環インド洋地域研究にも従事し、これまでの研究をさらに発展させる努力を続けている。このように、小野田氏の研究は、グローバルな視点で新規性を持つものであり、今後、世界のアフリカ研究だけでなく、環インド洋地域研究をリードしていく研究者と目される。
関連情報
日本学術振興会賞とは
第20回(令和5(2023)年度)日本学術振興会賞の受賞者決定について
第20回(令和5(2023)年度)日本学術振興会賞受賞者略歴及び授賞理由(PDF)