No.083 - 人文知コミュニケーターOGにインタビュー!神戸大学 大学院国際文化学研究科 大石 侑香(おおいし ゆか)さん
神戸大学 大学院国際文化学研究科 大石 侑香(おおいし ゆか)さん
人文知コミュニケーターを経て神戸大学に就職された大石先生にお話を伺いました。
・人文知コミュニケーター時代に描いていた将来のキャリアパス
大学や研究所の研究職を考えていました。加えて海外学振(注記 日本学術振興会の海外特別研究員)も考えていました。周囲の若手研究者がどんどん就職が決まっていたので、焦って応募できる研究職の公募にはなんでも応募していました。
・神戸大学に赴任しての変化
教育や運営等の業務でとても忙しくなりました。自分の仕事ペースを作るのが難しくて、研究が思うように進まなくなりました。
・神戸大学の魅力や他大学にはない特徴
学内によくイノシシさんが現れるところが気に入っています。
キャンパスにいらしたイノシシさん(2021年8月神戸大学にて大石侑香撮影)
・文化人類学における学術論文以外の研究成果の多様さの紹介と意義
私は学術論文が重要と思っています。成果の多様さについては、考えたことがありませんでした。
・人文知コミュニケーター時代に培ったスキルのうち、現職で活かせていること
例えば、印刷博物館等に研修へ行き、その時にブランディングを考えるといったこれまでに全然考えてもみなかったようなことや、イベントのチラシにしてもデザインを揃えること、インフルエンサーにイベントのアンバサダーになっていただくこと等の広報の常識を知り、そういう視点で学術の成果発信を観察できるようになりました。
ところで、スキルよりも人脈が現在も活きています。科学未来館でサイエンスコミュニケーターの方々と仕事をする機会がありました。元サイエンスコミュニケーターが様々なところで活躍されていて、よくお会いします。この人脈もしくはネットワークはとてもありがたいです。
・これから人文知コミュニケーターを志望する方々へのメッセージ
大学教員として就職すると忙しくなるため、コミュニケーター時代にやりたいことをやるのをおすすめします。
(聞き手:大場 豪 人間文化研究機構 人間文化研究創発センター研究員)
大石 侑香(おおいし ゆか)さん
神戸大学大学院国際文化学研究科・講師。博士(社会人類学)。1982年静岡県生まれ。2016年に首都大学東京大学院人文科学研究科博士後期課程満期退学。日本学術振興会特別研究員PD(東北大学)を経て、2018年から2020年にかけて人文知コミュニケーターとして国立民族学博物館に勤める。2020年から現職。
2022年9月岡山にて浅井彩撮影