研究資源共有化システム概要
研究資源共有化システム概要
1. システム構成
人間文化に関する学問の蓄積・継承・創成を目指す人間文化研究機構は、国内外で発信される種々のデータベースの有効利用による研究教育の促進を目指して、研究資源共有化推進事業を重点的に実施しています。本機構の研究資源共有化推進事業では、人文科学に関するさまざまな研究データベースを、一元的に、網羅的に、かつ迅速に活用できる環境を創出することを目的として、研究資源共有化システムを構築しました。
研究資源共有化システムは、nihuINTおよび時空間解析ツール から構成されています。2017年3月にリニューアルしました。
研究資源共有化システム概要図
統合検索システム nihuINT(nihu INTegrated retrieval system)
nihuINTは、当機構を構成する国立歴史民俗博物館、国文学研究資料館、国立国語研究所、国際日本文化研究センター、総合地球環境学研究所、国立民族学博物館の多種多様なデータベースをシームレスに検索できるシステムです。機構の地域研究推進事業(地域研究拠点)の成果をデータベース化したnDPも検索対象となります。また、機構以外の機関とのシステム連携も可能であり、国立国会図書館サーチ(NDL Search)、京都大学東南アジア地域研究所とのシステム連携を実現しました。
時空間解析ツール GT-Map/Time
GT-Map/Timeは、人文学研究資源を時間情報・空間情報に基づいて検索・表示およびGIS解析することができます。nihuINTの検索結果をダウンロードし、解析することもできます。
2. nihuINT
nihuINTのシステム設計方針
システムを設計するにあたり、次のような8つの方針を定めています。
【8つの方針】
1. 6機関の公開中の原データベースを共有化対象とする
2. 原データベースには手を入れない。すなわち、再構築などをしない。
3. 利用者は人文科学研究者を中心とするが、一般公開を行う。
4. 全データベースに対して、一元的な検索すなわち横断検索を行う。個々のデータベースの操作法の違いや所在を意識しない。
5. 検索および結果の高度処理を行う(時空間情報解析システムなど)。
6. 可能な限り、国際標準技術を用いる。
7. 先行研究成果などを活用する。
8. 他機関などへの接続を考慮する。
方針に基づき、nihuINTは次の3つの技術要素を柱として構築しています。
【3つの技術要素】
1. XMLによる標準的なデータ記述を行う。
2. メタデータ(Dublin Coreを主とする)によるデータベースの違いを吸収する。
3. 国際標準検索プロトコルによる検索手順の一元化(SRUおよびSRW:Search/Retrieve Web service)を用いる。
nihuINTのシステム構成
nihuINTのシステム構成概要図
基本システムでは、FESは、個々の原データベースごとにメタデータ・マッピングを行い、個々のMDB(メタデータ・データベース)を構築し、保持します。FESは、情報検索プロトコルSRUおよびSRW:Search/Retrieve Web Serviceにより、MDBに対する情報検索を実施します。
利用者はWebアクセスにより、GWSに持つWebサーバに対して、横断検索要求を行い、共有化検索の結果を得ます。Webサーバは、標準検索システムクライアントと、ゲートウェイを行い、検索を実施します。SRUとSRW(v.1.1)は、データベースごとに明示的に指定しますが、おおむねSRWに統一しています。
検索フロー
nihuINTでの検索の流れは下図のとおりです。
詳しいご利用方法はnihuINT(統合検索システム)・利用の手引きをご覧ください。
検索フロー
検索トップ画面
キーワードなどの検索語入力以外に、時空間範囲を指定したり、検索対象となるデータベースを指定した検索ができます。
検索トップ画面
一覧表示画面
検索結果を単に一覧以外にも、名称・題名や主題・種別などで分類したり、人物や場所を単位にグループ化して表示することができます。さらに時空間表示機能を利用することができます。
原データベース表示画面
時間表示画面
メタデータ
メタデータは、Dublin Coreをベースとして、人間文化研究機構マッピング規則[3]を策定し、9機関の170余のデータベースのMDBを作成しています。
3. 時空間解析ツール
空間や時間情報を使って、より詳細な解析を行うためのツールを利用することができます。また、データ構築などにも利用可能な地名辞書などの基盤情報の整備を進めています。
時空間解析ツール