近現代における日本人移民とその環境に関する在外資料の調査と研究

 

 平成22年度から25年度にかけて第一回EAJS日本会議「日欧交流500年紀を前に―航路の形成と情報の拠点」や、人間文化研究機構第22回公開講演会「画像資料による日本人移民への新視点―満洲・ブラジル・南洋」といった国際シンポジウムを開催しながら、対象地域の調査活動等を行いました。

 各チームの活動として、中国チームは『日華学会関連高橋君平文書資料Ⅰ・Ⅱ』を刊行しました。

 アメリカ大陸チーム(a)(b) は北南米・ハワイの各所で資料調査を行う一方、「南米等邦字新聞データベース」を作成し、平成23年度より研究者向けに公開を開始し、また、『日系ブラジル移民文学Ⅰ・Ⅱ』を刊行しました。

 音声資料チームはハワイを中心としたオーラルヒストリー調査を行うと同時に、アメリカ大陸チーム(a) と合同での調査・ワークショップを実施し、チーム間の連携も深めています。

 韓国チームはワークショップやシンポジウムを開催し、『守屋栄夫関係史料』を取りまとめ、『帝国日本と植民地大学』を刊行しました。

 台湾チームは中央研究院台湾史研究所と共同で『堤林数衛関係文書選輯』を刊行しました。

 文化財保護チームは『関野貞大陸調査と現在』や『東方文化学院旧蔵建築写真目録』を刊行しました。
平成26年度は『満洲小事典』や旧植民地研究家故岡部牧夫の蔵書『岡部文庫』、そして『広辞苑』の編者である新村出がヨーロッパ留学した際の絵葉書コレクションなどの研究書籍・資料の執筆・編集を進めています。また、これまでに蓄積してきた研究成果(データベース含む) を日本の地域社会のみならず、世界の研究者へ向けて公開、発信しています。