広領域連携型基幹研究プロジェクト

機構内の複数の機関が連携して実施するプロジェクト

 機構内の機関が中核となり、機構内の他機関や機構外の大学等研究機関とも連携しつつ、異分野の連携を必要とする研究テーマを掲げて実施するプロジェクトです。人文学、情報科学、保存科学、環境学等といった多様な分野の国内外の研究機関や研究者並びに地域社会等と連携し、専門分野の枠を超えた学際的な研究に取り組みます。

横断的・融合的地域文化研究の領域展開:新たな社会の創発を目指して

 現代の地域社会の多くは、多発する災害や共同体内外の変貌により、危機的な状況にあります。既存の伝統文化を継承しつつも、新たな担い手とそこで更新される文化を通じた社会の創発が必要とされています。本研究では、地域の知恵や歴史が凝縮された伝統文化を取り入れ、持続可能で多様性にみちた社会のあり方を、保存科学、人類学、民俗学、歴史学、生態学、言語学等の横断的な領域から検証し、社会/文化の創発に積極的に参与することを目指します。

「横断的・融合的地域文化研究の領域展開:新たな社会の創発を目指して」基本計画

主導機関 国立歴史民俗博物館

フィールドサイエンスの再統合と地域文化の創発

主導機関 国立民族学博物館

地域文化の効果的な活用モデルの構築

国文学研究資料館

人口減少地域におけるアーカイブズと歴史文化の再構築

国立国語研究所

地域における市民科学文化の再発見と現在

総合地球環境学研究所

自然の恵みを活かし災いを避ける地域文化研究

東日本大震災で文化財レスキューされた
宮城県気仙沼市の尾形家資料

人新世に至る、モノを通した自然と人間の相互作用に関する研究

 自然の中を生きる人類は、環境中の多岐にわたる資源を利用して生活してきました。本研究は、身体や物質に含まれる元素の濃度及び同位体比を分析することで、自然と人間の関わりについて時間軸と空間軸を横断する研究を行い、物質文化から見た現代の地球環境問題につながる人間の資源利用形態の変容を明らかにすることを目標としています。国立民族学博物館との共同研究「古代アンデス研究」を行うほか、機構内外の大学等研究機関との共同研究を行います。

「人新世に至る、モノを通した自然と人間の相互作用に関する研究」基本計画

主導機関 総合地球環境学研究所

人新世に至る、モノを通した自然と人間の相互作用に関する研究

国立歴史民俗博物館

「同位体による年代・古気候・交流史研究」

「古代アンデス遺跡(クントゥル・ワシ遺跡:中央の丘)と周辺景観」撮影 瀧上 舞

異分野融合による総合書物学の拡張的研究

 主として江戸時代以前の書物群を対象とし、《語彙レベルや文字組成といった単位に基づく情報の断片化》→《付加価値を有するデータとしての再構築》という共通のフローを各ユニットに設定し、研究成果を現代社会や大学院授業等へ還元すると同時に、適宜 AI の技術と融合しながら、研究方法や領域そのものの拡張というメタレベルでの刷新をも狙いとしています。失敗例もプロセスをオープン化することにより、将来のブレイクスルーを呼び込む、いわば人文学の知の実験場です。

「異分野融合による総合書物学の拡張的研究」基本計画

主導機関 国文学研究資料館

古活字版の組成・版面パターンの情報工学的解析

国立歴史民俗博物館

延喜式のデジタル技術による汎用化
国立国語研究所

古辞書類に基づく語彙資源の拡張と語彙・表記の史的変遷

人文学・情報学の研究者らによるシンポジウムの様子