武器をアートに―モザンビークにおける平和構築

実施代表者:国立民族学博物館 吉田憲司

平成27年10月17日(土)~11月23日(月)

  東京藝術大学大学美術館   展示詳細

主催:東京藝術大学 人間文化研究機構・国立民族学博物館

 

 モザンビーク共和国は、南部アフリカに位置する、インド洋に面した人口2500万人ほどの国です。モザンビークでは、1975年の独立以来1992年まで続いた内戦のために外国から大量の武器が供給され、戦争終結後も住民のもとに残されました。1995年、この武器を農具や自転車と交換し、武装解除を進める「銃を鍬に」というプロジェクトが開始されます。人々の手元にあった武器は、鍬や犂、自転車、ミシンなどの生活用具と交換されて平和な生活の助けとなり、一方回収された武器は細断され、アーティストの手によって作品に生まれ変わることになりました。今、破壊の道具はモザンビークの人々のメッセージを伝える作品となって、モザンビーク国内のみならず、大英博物館をはじめとする多くの海外の美術館・博物館に収蔵され、平和への切なる願いを発信しています。

 本展では、国立民族学博物館が収集した作品と、「銃を鍬に」のプロジェクトを支援してきたNPO法人えひめグローバルネットワークが所蔵する作品を展示し、アートに結実した平和構築の営みを紹介しました。