展示情報一覧

【歴博】特集展示「国立公園 今昔」(第4展示室)

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『美しい風景やそれに関連する文化・歴史を守るために、法律や自主ルールなどによって管理される場所』という意味で、「保護地域」という用語が使われます。「世界遺産」、「国立公園」、「名勝」、「天然記念物」などが保護地域に含まれるといわれれば、具体的なイメージを思い浮かべることができるかと思います。

 今回の特集展示では、「保護地域」に対する人々の関心や価値の移り変わりを、絵葉書、チラシ、土産物などの資料から読み解いていきます。とりわけ、戦前期から地域の観光業や自然保護のあり方に大きな影響を与えた存在として、「国立公園」を抜きに語ることはできません。今回の展示では、国立公園に主な焦点を当てながら紹介していきます。

 さらに、展示代表者が長年かかわってきた「屋久島国立公園」(鹿児島県屋久島町)における文化・歴史的な遺構・映像を紹介するコーナーも設け、最新の研究情報を来館者にお届けします。

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【歴博】くらしの植物苑特別企画「伝統の朝顔」

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 朝顔は古くから多くの人々に親しまれてきました。特に江戸時代以降になると、文化・文政・天保期、嘉永・安政期、明治・大正期など、繰り返し朝顔ブームが訪れ、そのたびに葉と花の多様な変化や組み合わせを楽しむ変化朝顔がつくり出されてきました。これは今日の遺伝学でいう突然変異を見つけ出し、系統として確立するという、世界的に見ても特異なもので、特に幕末頃にはきわめて多くの品種がつくり出されていたようです。しかし、それらの中には、残念ながら華やかな大輪朝顔の人気に圧倒されて、あまり知られることなく絶えてしまったものもあります。ただ、広くは栽培されなかったものの、一部の愛好家の努力によって大切に保存され、現在に伝えられたものも少なくありません。

 そこで、江戸時代以降の独創的な知識と技術を駆使してつくり上げられた伝統の朝顔を広く知っていただき、人と植物との関わりを見るべく、当館では1999年以降、歴史資料としてこれらの朝顔を展示してきました。

 今年は、変化朝顔を主に約100系統もの朝顔の展示に加え、「変化朝顔の形のひみつ」をテーマとして、おしべやめしべが変化する仕組みや獅子(しし)、乱菊(らんぎく)、笹(ささ)、南天(なんてん)など、葉や花弁の裏や表がなくなる仕組みについて、さらに枝垂(しだれ)、木立(こだち)、渦(うず)、石化(せっか)のような蔓(つる)の変化について、それぞれパネルで紹介します。

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【歴博】特集展示「楽器と漆」(第3展示室)

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 古来、楽器の制作にあたっては、しばしば漆工技術が用いられてきました。 
それは、第一に、漆の接着剤やコーティング剤としての実用的な側面が、音を奏でる道具としての楽器の制作に不可欠であったこと、第二に、外観上の美しさや貴さが求められた楽器にとって、艶やかな漆の塗装面や多彩な装飾技法がふさわしいとみなされたためでしょう。 
 今回の特集展示は、同時開催の企画展示「URUSHIふしぎ物語-人と漆の12000年史-」と連動し、漆利用という観点から楽器を見直していただきたいと思います。 
本展では、本館が所蔵する紀州徳川家伝来楽器コレクションや生田コレクション 鼓胴(こどう)などの中から、漆技術を用いた楽器とその附属品を約60点展示します。楽器と漆の深い関わりに注目し、漆を用いた豊かな文化の一端をご紹介します。

 展示場内では、機能と美的効果を兼ね備えた漆の使用例として、笛の樺巻(かばまき)、琴の塗装をとりあげるほか、笙(しょう)の匏(ほう)(頭)や箏(こと)の龍頭・龍尾など楽器自体に施された装飾、楽器を収納するための筒や箱の装飾、また、能楽で用いられる鼓の胴に表される機知に富む蒔絵意匠などを中心に展示を構成します。

 なお、今回展示する生田コレクションは、当館受け入れ以来、初公開です。

 企画展示「URUSHIふしぎ物語-人と漆の12000年史-」とあわせてぜひご覧ください。

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【歴博】企画展示「URUSHIふしぎ物語-人と漆の12000年史-」

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 ウルシの木が生育するアジアの諸地域では、それぞれ特色ある漆工技術が発達し、ユニークな文化をかたち作ってきました。近年の発掘調査や化学分析の成果によって、日本人と漆とのつきあいは12000年前に遡ることが明らかにされています。そして漆を利用する文化は、国内にとどまらず、東アジア、西洋にも広がりをもちながら、現在に至っています。

 本企画展示は、縄文時代から現代にわたる日本列島における人と漆の関係史を、考古学・美術史学・文献史学・民俗学・植物学・分析科学など多視点的なアプローチにより総合的にとらえる初めての試みです。人の手から手へと大切に伝えられた漆工芸品、遺跡からの出土品、民俗資料などを通じて人と漆が紡いだ豊かな歴史をたどります。

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【国文研】通常展示「書物で見る 日本古典文学史」

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 本展示では、上代から明治初期までの文学を、書物(古典籍)によってたどります。最近の研究動向にも配慮はしましたが、むしろ教科書でなじみの深い作品を中心に据えて、文学史の流れを示しました。写本の表情や版本の風合いに触れながら、豊かな日本古典文学史の諸相をお楽しみください。 

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【人間文化研究機構本部・歴博】文部科学省エントランス企画展示「古代の百科全書『延喜式』に学ぶ、いにしえの暮らし」

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 国立歴史民俗博物館は、人間文化研究機構基幹研究プロジェクト「古代の百科全書『延喜式』の多分野協働研究」に取り組んでいます。『延喜式』は10世紀に編纂された法典であり、「日本文化を理解するための宝庫」と評されるほど様々な分野に及ぶ古代の情報を満載しています。 同プロジェクトは、異分野の研究者・機関が協働する研究体制を構築し、『延喜式』記載の物品・技術・生産体制やその歴史的文化的背景の解明を試みるものです。  

 本展示では、『延喜式』記載の貢納食材を中心に取り上げます。特に、天皇の御膳や宮廷の饗宴、神饌などに供するために各地から貢納されたアワビに注目し、 特徴的なアワビの加工法や食品としての特性についてご紹介いたします。

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【人間文化研究機構本部・歴博】文部科学省エントランス企画展示「古代の百科全書『延喜式』に学ぶ、いにしえの暮らし」

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 国立歴史民俗博物館は、人間文化研究機構基幹研究プロジェクト「古代の百科全書『延喜式』の多分野協働研究」に取り組んでいます。『延喜式』は10世紀に編纂された法典であり、「日本文化を理解するための宝庫」と評されるほど様々な分野に及ぶ古代の情報を満載しています。 同プロジェクトは、異分野の研究者・機関が協働する研究体制を構築し、『延喜式』記載の物品・技術・生産体制やその歴史的文化的背景の解明を試みるものです。  

 本展示では、『延喜式』記載の貢納食材を中心に取り上げます。特に、天皇の御膳や宮廷の饗宴、神饌などに供するために各地から貢納されたアワビに注目し、 特徴的なアワビの加工法や食品としての特性についてご紹介いたします。

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【歴博】企画展示「デジタルで楽しむ歴史資料」

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 本企画展は、パソコンやスマートフォンをはじめとするデジタル技術を利用して、さまざまな形で歴史資料を楽しんでもらおう、という催しです。国立歴史民俗博物館(歴博)が所有する数多の歴史資料は、大切に守り未来に伝えていくとともに、共有の財産として、今を生きている我々の役に立てていかなければなりません。一見背反するこの要求に、歴博は1983年の開館以来挑み続けており、データベースれきはくの公開や総合展示・企画展示における種々の情報コンテンツの提供という形で、積極的にデジタル技術を利用してきました。通常は歴博の研究・展示・教育活動を支える裏方(うらかた)の存在であるデジタル技術を、この展示では思い切って前面に出してみました。また、通常の本館の企画展示ではどうしても歴史学に造詣の深い方向けの展示構成になってしまう点を踏まえ、本展示では小学生高学年から中学生を来館者のメインターゲットに置き、すべての年齢層に理解できる展示を目指しています。

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【民博】開館40周年記念特別展「ビーズ―つなぐ・かざる・みせる」

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 飾り玉、数珠玉、トンボ玉などを総称するビーズ。ガラスや石や貝だけではなく動物の歯や虫の羽などから新たな世界がつくりだされます。本展示では、私たち人類が作り出した最高の傑作品の一つとしてビーズをとらえて、つくる楽しみ、飾る楽しみをとおして日本や世界の人びとにとってのビーズの魅力を紹介します。

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【民博】企画展「津波を越えて生きる―大槌町の奮闘の記録」

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 多大な被害を出した東日本大震災は、多くの日本人の心に深い刻印を残しました。本企画展は、プロジェクトリーダーである本館教授・竹沢尚一郎が震災直後から支援してきた岩手県大槌町の復興の過程に着目し、現地の人びとが大規模災害をいかに乗り越えてきたか、いかに乗り越えようとしているかを学ぶことを目的としています。

 大槌町では、過去から脈々と続いてきた日常の生活やその背景にある文化や伝統が、災害で一時は途切れたものの、前進しようとする人びとの熱意によって再び未来へとつながる流れが動き始めています。そして、この動きには、災害を生き延びた人びとの知恵と力の源を認めることができます。

 大槌町の被災前の文化を紹介すると同時に、被災直後の人びとの行動や復旧の試みを展示の形でたどることで、将来起こりうる大規模災害に対する備えの必要性を示し、災害を乗り越えて過去から未来へと文化や伝統をつなぐことの意義を考えます。

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